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「笑える」の作品
とぼけた語り口や皮肉で、思わず笑ってしまう場面のある作品。
- 頭ならびに腹真昼に全速力で走る満員の特別急行列車で、一人の子僧が鉢巻をして周りに構わず唄い出す。
- 月夜のでんしんばしらある晩、恭一は鉄道線路の横を歩いて停車場の近くまで来る。空には九日の月とうろこ雲がかかっている。
- ツェねずみ古い家の天井裏にすむツェねずみは、いたちに教えられて金米糖を拾いに行くが、蟻の兵隊に追い返される。
- 風博士語り手の「僕」は、遺書だけを残して姿を消した恩師の風博士について、その死を信じよと読者に訴える。
- 注文の多い料理店狩りに来た二人の若い紳士が、山奥で案内の猟師とはぐれる。連れてきた二匹の犬も泡を吐いて倒れてしまう。
- 狼森と笊森、盗森小岩井農場の北に並ぶ四つの森の名の由来を、黒坂森の巨きな巌が「わたくし」に語って聞かせる。
- 鹿踊りのはじまり苔の野原で眠った語り手は、風のことばから鹿踊りのほんとうの精神を聞く。そこから昔の野原の話が始まる。
- 鼻池の尾の禅智内供は、顋の下まで垂れた長い鼻を内心ずっと苦にしている。人前では気にしない顔ですましている。
- 名人伝趙の都の邯鄲に住む紀昌は、天下第一の弓の名人になろうと志し、名手の飛衛に弟子入りする。
- 山男の四月山男はにしね山の林で兎をねらううちに山鳥をつかまえ、日なたのかれ芝に寝ころんで空をながめる。
- 寒山拾得唐の官吏の閭丘胤は、台州へ旅立つ前に頭痛に悩み、門に来た乞食坊主に水を吹きかけられて治る。
- どんぐりと山猫ある土曜日の夕方、一郎のうちに山ねこからはがきが届く。めんどうな裁判をするので来てほしいと書いてある。
- 眉山戦後の新宿で、小説家の僕たちは飲み屋の若松屋に通い、女中のトシちゃんを陰で眉山と呼んでいた。
- かしわばやしの夜日暮れに稗の畑で土をかけていた清作は、柏の林から変な声を聞き、そっとそちらへ走っていく。
- 花のき村と盗人たち初夏の昼、五人組の盗人が花のき村にやって来る。かしらは藪のかげで待ち、四人の弟子に村を探らせる。
- セロ弾きのゴーシュ町の活動写真館でセロを弾くゴーシュは、楽団でいちばん下手で、いつも楽長に叱られている。
- 畜犬談伊馬鵜平君に与える「私」は犬を猛獣と恐れ、いつか必ず噛まれると信じている。友人が噛まれた話を聞き、憎しみは頂点に達した。
- 鼠小僧次郎吉初秋の日暮れ、汐留の船宿の二階で遊び人の二人が酒を酌み交わし、鼠小僧の噂を始める。
- 不良少年とキリスト歯痛で十日寝こんだ私は、頬に氷をのせて太宰の本を読みかえし、看病する女房に当たり散らす。
- グッド・バイ終戦から三年、闇商売で稼ぐ編集長の田島は、十人ちかい愛人と別れて妻子を呼び寄せようと考える。
- 親友交歓昭和二十一年の九月、津軽の生家に避難していた私のもとへ、小学校の同級生だという平田が訪ねてくる。
- 富嶽百景富士は低く俗な山だと思っている「私」が、昭和十三年の初秋に甲州の御坂峠の茶屋へ移り住む。
- 牛肉と馬鈴薯明治のある冬の夜、芝の倶楽部に集まった紳士たちが、酒を飲みながら互いの人生観を語り合っている。
- 半七捕物帳半鐘の怪江戸の下町で、火事でもないのに夜ごと半鐘が鳴る。見張りがいるあいだは鳴らず、気をゆるめると鳴り出す。
- 二銭銅貨下駄屋の二階で貧しく暮らす松村武と「私」は、五万円の隠し場所を明かさないまま捕まった紳士泥坊の話をしていた。
- のんきな患者肺を病む吉田は寒に入って高い熱を出し、身動きもできないまま眠れない夜の不安に苦しむ。
- 赤ひげ診療譚三度目の正直養生所の医師の保本登は、新出去定に命じられて、気が狂ったといわれる大工の猪之を調べにいく。
- 日日平安江戸へ帰る途中の井坂十郎太は、空腹から切腹のまねをする浪人の菅田平野に呼び止められる。
- 二百十日豆腐屋の伜の圭さんと友人の碌さんが、阿蘇のふもとの温泉宿に泊まり、のんきな会話を重ねる。
- 夫婦善哉一銭天婦羅屋の娘の蝶子は曾根崎新地の芸者になり、声自慢の陽気な妓として売れっ妓になる。
- 雲は天才である岩手の村の小学校で代用教員を務める二十一歳の新田耕助は、生徒との課外授業に何より熱を入れている。
- 侏儒の言葉道徳や恋愛、芸術や政治を題に短い断章を次々と並べた、芥川龍之介の箴言集である。
- 河童精神病院の患者である第二十三号が、だれにでも語る話だ。三年前の夏、穂高山へ登る途中で河童に出会う。
- ろまん灯籠洋画家の入江新之助が亡くなったあとの家には、ロマンスを好む五人の兄妹と祖父母と母が暮らしている。
- 永日小品正月の客や泥棒騒ぎ、猫の死など、身の回りの小さな出来事を綴った二十五の小品が並ぶ。
- ヰタ・セクスアリス哲学者の金井湛は自然派の小説を読むうちに、自分だけが性欲に冷淡なのではないかと疑い始める。
- お伽草紙空襲の夜、防空壕で子に絵本を読む父が、昔話とは別の物語を胸の中で組み立てはじめる。
- 墨汁一滴病で筆を持つのも苦しくなった正岡子規が、十行でも一行でもよいから毎日書こうと思い立つ。
- 草枕語り手の画工は、人の世の煩いを離れて物を画として見る非人情の旅を思い立ち、春の山路を那古井の温泉場へ向かう。
- パンドラの匣終戦の日に喀血を打ち明けた二十歳の小柴利助は、結核療養所「健康道場」に入り、親友へ手紙を書き始める。
- 病牀六尺六尺の寝床から動けなくなった正岡子規が、新聞に毎日短い文章を寄せていく随筆である。
- 坊っちゃん親譲りの無鉄砲で損ばかりしてきたおれは、物理学校を出て四国の中学校の数学教師になる。
- 正義と微笑十六歳の芹川進は兄にマタイ伝を読んでもらい、微笑して正義を行うと心に決めて日記をつけ始める。
- 津軽作家の私は津軽のことを書くために、ある年の五月に作業服姿で東京を発ち、故郷の津軽半島を一周する。
- 浮雲役所を免職になった内海文三は、身を寄せる叔父の家の娘お勢と一緒になる日を当てにしていた。
- 青べか物語「蒸気河岸の先生」と呼ばれる私は、根戸川のいちばん下流にある漁師町の浦粕で独りぐらしを始める。
- 季節のない街目に見えない市電を毎日運転する六ちゃんが、どぶ川を越えて貧しい長屋の街へ猫を送り届ける。
- 吾輩は猫である名前のない猫が英語教師の苦沙弥の家に住みつき、主人や家族、訪ねてくる友人たちを猫の目で眺める。