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ちゅうもんのおおいりょうりてん

注文の多い料理店

宮沢賢治

読了時間
約11分
文字数
5,399字
読みやすさ
やさしい
表記
新字新仮名
読む速さ

初出: 「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」盛岡市杜陵出版部・東京光原社、1924(大正13)年12月1日

三行でいうと

  1. 狩りに来た二人の若い紳士が、山奥で案内の猟師とはぐれる。連れてきた二匹の犬も泡を吐いて倒れてしまう。
  2. 腹をすかせた二人の前に、「山猫軒」という西洋料理店の立派な一軒家が現れる。
  3. 店に入ると、扉ごとに客への細かな注文が書かれていた。

登場人物

二人の若い紳士
イギリスの兵隊の格好をして、鉄砲をかついで狩りに来た都会の若者。獲物を撃つことを遊びとしか考えていない。
二匹の犬
白熊のような大きな犬。紳士たちが狩りのために連れてきた。

読みどころ

小学校の教科書でおなじみの童話だが、大人が読むと皮肉の鋭さに驚かされる。

扉の注文は、はじめは「髪をきちんとして、それからはきものの泥を落してください」のように、上等な店の作法に見える。二人は注文を自分たちに都合よく解釈して、奥へ奥へと進む。読者は途中でからくりに気づくのに、二人を止めることはできない。このもどかしさが読みどころだ。

動物の命を軽く扱う紳士たちが、最後にどんな目にあうのか。ユーモアと怖さが同じ場面に並ぶ、宮沢賢治らしい一編である。

結末まで知りたい人へ

結末を表示する(ネタバレを含みます)

扉の注文は、しだいにおかしくなっていく。鉄砲と弾丸を置け、帽子と外套と靴を脱げ、顔や手足にクリームを塗れ、香水をかけろ、最後には体に塩をもみ込め。二人はようやく、自分たちこそが料理される側だと気づく。奥の扉の鍵穴からは、二つの青い目玉がこちらをのぞいていた。

泣き出した二人の前に、倒れたはずの二匹の犬が飛び込んできて、扉の奥へ向かっていく。気がつくと部屋は煙のように消え、二人は草むらに立っていた。助かったものの、恐ろしさで紙くずのようにくしゃくしゃになった二人の顔は、東京に帰っても、お湯に入っても、もう元に戻らなかった。

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公開: 2026年10月26日 更新: 2026年10月26日

テーマ: 教科書でおなじみの名作