みやざわ けんじ
宮沢賢治
1896〜1933
岩手の農業指導者で、童話と詩を書いた。作品の多くは亡くなった後に広く読まれるようになった。
短い順に読む
- マグノリアの木霧がじめじめ降るなか、諒安は険しい山谷の峯と谷を、沓の底を踏み抜きながらひとりで渡っていく。
- やまなし小さな谷川の底を写した二枚の幻燈の話だ。五月の水の底で、蟹の兄弟がクラムボンのことを話している。
- 祭の晩山の神の秋祭りの晩、亮二は十五銭をもらってお旅屋へ出かけ、見世物小屋の「空気獣」に入ってしまう。
- 月夜のでんしんばしらある晩、恭一は鉄道線路の横を歩いて停車場の近くまで来る。空には九日の月とうろこ雲がかかっている。
- ガドルフの百合旅のガドルフは、十六哩先の次の町を目指して、楊の並木道を朝から歩き続けている。
- 烏の北斗七星雲の垂れこめた雪の田んぼで、烏の義勇艦隊が年老いた大監督の号令を受けて夕方の演習に飛び立つ。
- 虔十公園林縄の帯をしめていつも笑っている虔十は、子供らにばかにされて、笑わないふりをするようになる。
- ツェねずみ古い家の天井裏にすむツェねずみは、いたちに教えられて金米糖を拾いに行くが、蟻の兵隊に追い返される。
- 注文の多い料理店狩りに来た二人の若い紳士が、山奥で案内の猟師とはぐれる。連れてきた二匹の犬も泡を吐いて倒れてしまう。
- よだかの星よだかは顔がまだらで口の裂けたみにくい鳥で、ほかの鳥たちからいつも悪口を言われている。
- 狼森と笊森、盗森小岩井農場の北に並ぶ四つの森の名の由来を、黒坂森の巨きな巌が「わたくし」に語って聞かせる。
- オツベルと象稲扱器械を六台も据えつけて百姓を働かせるオツベルの小屋に、ある日ふらりと白象がやって来る。
- 鹿踊りのはじまり苔の野原で眠った語り手は、風のことばから鹿踊りのほんとうの精神を聞く。そこから昔の野原の話が始まる。
- 水仙月の四日雪婆んごが遠くへ出かけた晴れた日、赤い毛布の子供がカリメラのことを考えながら家へ急いでいる。
- 山男の四月山男はにしね山の林で兎をねらううちに山鳥をつかまえ、日なたのかれ芝に寝ころんで空をながめる。
- どんぐりと山猫ある土曜日の夕方、一郎のうちに山ねこからはがきが届く。めんどうな裁判をするので来てほしいと書いてある。
- 猫の事務所……ある小さな官衙に関する幻想……軽便鉄道の停車場の近くにある猫の第六事務所では、四人の書記が猫の歴史と地理を調べている。
- 雪渡り雪が堅く凍った日、四郎と妹のかん子は雪沓をはき、いつもは歩けない野原を森の近くまで渡っていく。
- なめとこ山の熊なめとこ山の熊捕りの名人の淵沢小十郎は、犬を連れて山を歩き、熊を撃って暮らしている。
- かしわばやしの夜日暮れに稗の畑で土をかけていた清作は、柏の林から変な声を聞き、そっとそちらへ走っていく。
- 黄いろのトマト町の博物館にある剥製の蜂雀が、朝早く来た「私」に、ペムペルとネリの兄妹の話を語りはじめる。
- 土神ときつね一本木の野原の北に立つ樺の木には、谷地に住む乱暴な土神と、上品な狐の二人の友達がいた。
- 双子の星天の川の西の岸に住むチュンセ童子とポウセ童子は、毎晩お宮で銀笛を吹く双子の星だ。
- フランドン農学校の豚農学校で飼われる豚は、自分のからだが白金と並べられたのを聞き、その値段を勘定してすっかり幸せになる。
- セロ弾きのゴーシュ町の活動写真館でセロを弾くゴーシュは、楽団でいちばん下手で、いつも楽長に叱られている。
- 貝の火子兎のホモイは、流れで溺れかけたひばりの子を助ける。そのあと重い熱病にかかって寝込んでしまう。
- ひかりの素足山小屋で父と夜を明かした一郎と弟の楢夫。朝になって、楢夫は風の又三郎に言われたことがこわいと泣き出す。
- グスコーブドリの伝記イーハトーヴの森に生まれたブドリは、冷害の飢饉で両親を失い、妹のネリも見知らぬ男に連れ去られる。
- 風の又三郎九月一日の朝、谷川の岸にある小さな学校の教室に、見たこともない赤い髪の子がひとりですわっていた。
- 銀河鉄道の夜病気の母と暮らすジョバンニは、学校の後に活版所で働き、級友たちにからかわれている。