ぎんがてつどうのよる
銀河鉄道の夜
- 読了時間
- 約1時間17分
- 文字数
- 38,284字
- 読みやすさ
- ふつう
- 表記
- 新字新仮名
三行でいうと
- 病気の母と暮らすジョバンニは、学校の後に活版所で働き、級友たちにからかわれている。
- 銀河の祭りの夜、丘で寝ころんだジョバンニは、気がつくと銀河を走る小さな列車に乗っていた。
- 前の席には親友カムパネルラがいて、二人は鳥捕りや船で遭難した姉弟たちと旅を続ける。
登場人物
- ジョバンニ
- 病気の母と暮らし、学校の後に活版所で活字を拾って働いている少年。
- カムパネルラ
- 博士の息子でジョバンニの同級生。からかわれるジョバンニを気の毒そうに見ている。
- ザネリ
- 父親のことでジョバンニをからかう同級生。
- 鳥捕り
- 鷺や雁を捕まえる商売をしていると話す、赤ひげの男。
- 燈台守
- 列車に乗り合わせ、乗客たちに立派な苹果を配る男。
- 青年
- 船が氷山にぶつかって沈み、家庭教師をしていた姉弟と一緒に列車に現れた黒服の青年。
- かおる
- 青年が連れている十二ばかりの女の子で、蝎の火の話をする。
- タダシ
- かおるの弟で、六つばかりの男の子。
- カムパネルラのお父さん
- 博士で、ジョバンニの父とは小さいときからの友達。
読みどころ
ジョバンニとカムパネルラが、銀河を走る列車で一夜の旅をする物語だ。車窓には光るすすきや三角標、水晶の砂の河原が流れていく。美しい景色の中で、二人は乗り合わせた人々の話を聞く。そして、みんなのほんとうのさいわいとは何かを考え始める。
はじめの四章は現実の町の場面で、ジョバンニの貧しさと孤独が細かく描かれる。この寂しさを知ってから列車に乗るので、旅の明るさと影がはっきり見える。鳥捕りのお菓子のような鳥、プリオシン海岸の発掘、蝎の火の話など、奇妙で美しい挿話が続く。旅のあいだ、ジョバンニの心は嫉妬やさびしさと、人を思う気持ちのあいだで揺れ動く。その揺れにも注目して読みたい。
宮沢賢治が生前に発表せず、亡くなった後に原稿から世に出た作品である。原稿には欠けた部分があり、本文にも空白を示す注記が残っている。欠けた箇所では場面が急に飛ぶので、そのことを知ってから読むとよい。
結末まで知りたい人へ
結末を表示する(ネタバレを含みます)
サウザンクロスで、青年と姉弟は列車を降りる。ジョバンニとカムパネルラは二人きりになり、みんなのほんとうのさいわいを探しに一緒に行こうと誓い合う。そのあとカムパネルラは窓の外の野原を指して、あそこに母がいると叫ぶ。ジョバンニが振り返ると、カムパネルラの席にはもう誰もいなかった。ジョバンニは窓から身を乗り出して泣き叫ぶ。
目を開けると、ジョバンニは元の丘の草の中で眠っていた。牧場で牛乳を受け取って町へ戻ると、橋のあたりに人が集まっている。級友のマルソが事情を話す。舟から落ちたザネリを助けようとして、カムパネルラが川に飛び込んだ。ザネリは助かったが、カムパネルラが見つからないという。
カムパネルラの父の博士は時計を見つめたまま、「もう駄目です。落ちてから四十五分たちましたから。」と告げる。博士はジョバンニに、ジョバンニの父から元気な便りがあり、もう帰り着くころだと話す。ジョバンニは胸がいっぱいになり、母に牛乳を届けて父の帰りを知らせようと街へ走っていく。
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公開: 2026年10月27日 更新: 2026年10月28日