タグ・読後感
「怖い」の作品
背筋が寒くなる場面のある作品。幽霊が出るものに限らず、人間の怖さを描いたものも含む。
- 桜の樹の下には語り手の俺は、満開の桜の美しさがどうしても信じられず、この二三日は不安で憂鬱だった。
- 愛撫猫の耳を「切符切り」でパチンとやってみたい。私は子供のときからそんな空想を捨てられずにいる。
- 白昼夢晩春の蒸し暑い午後、私は場末の埃っぽい大通りを、用事か散歩かも思い出せぬまま歩いていた。
- 闇の絵巻東京を騒がせた強盗が、棒一本あれば闇の中を走れると語った。その記事を読み、私は爽快な戦慄を覚える。
- 木乃伊波斯王カンビュセスが埃及に攻め入った軍に、都の風になじまない陰鬱な部将パリスカスがいた。
- 火星の運河「私」は音も匂いもない果てしない大森林の下闇を、行き先も分からないまま歩き続けている。
- 狐憑湖の上に家を建てて暮らす部落で、平凡な男シャクに鷹や狼の霊がのり移ったと評判になる。
- 牛人魯の叔孫豹は亡命の途中で一夜の契りを結び、のちに黒い牛のような男に救われる夢を見る。
- 注文の多い料理店狩りに来た二人の若い紳士が、山奥で案内の猟師とはぐれる。連れてきた二匹の犬も泡を吐いて倒れてしまう。
- 刺青江戸の昔、清吉は名の知れた刺青師で、客が針の痛みに呻くほど愉快を感じる男だった。
- 文字禍アッシリヤの都ニネヴェの図書館で、毎夜ひそひそと怪しい話し声がするという噂が立つ。
- 赤い蝋燭と人魚北の海に棲む身重の人魚は、我が子を人間の町で幸せに育ててほしいと願い、陸で産み落とそうと決める。
- 瓶詰地獄南の島の村役場が、浜に流れ着いた三本のビール瓶を封をしたまま海洋研究所へ送る。中身は雑記帳の切れ端らしい。
- アグニの神上海の薄暗い家に住む印度人の婆さんは、アグニの神の御告げで占うと言い、亜米利加人から小切手を受け取る。
- フランドン農学校の豚農学校で飼われる豚は、自分のからだが白金と並べられたのを聞き、その値段を勘定してすっかり幸せになる。
- 双生児ある死刑囚が教誨師にうちあけた話死刑を待つ男が先生に、裁判でも隠し通したもう一つの罪を打ち明ける。殺した相手は双子の兄だった。
- 鏡地獄曇った春の終りの日、怪しい話を語り合う席で、友だちのKが一人の不幸な友人の話をはじめる。
- 人間椅子人気作家の佳子のもとへ、見知らぬ男から分厚い原稿のような手紙が届く。
- 夢十夜「こんな夢を見た。」という書き出しで知られる、十の夢を描いた連作。
- 倫敦塔留学して間もない余は、ロンドンの人波と騒音におびえながら、地図一枚を頼りに倫敦塔へ向かう。
- 半七捕物帳お文の魂冷たい雨の夜、少年の「わたし」はKのおじさんから、叔父が語らなかった「おふみの一件」を聞かせてもらう。
- 桜の森の満開の下鈴鹿峠に、旅人の着物をはぎ、気に入った女は女房にしてしまう山賊が住んでいた。
- 押絵と旅する男魚津へ蜃気楼を見に行った帰り、私は夜の汽車で、平たい荷物を抱えた老人と二人きりになる。
- 人でなしの恋十九で旧家の門野家に嫁いだ京子は、女ぎらいと噂された美男子の夫に思いがけず深く愛される。
- 赤い部屋異常な刺戟を求める七人の男が、緋色の垂絹で囲んだ「赤い部屋」に集まり、新入会員T氏の話を待つ。
- 死後の恋浦塩の町で評判の風来坊の男が日本の軍人をレストランに誘い、自分の話を聞いてほしいと頼む。
- とむらい機関車汽車で乗り合わせた大学生に、H駅の機関庫に勤めていた男が「葬式機関車」の話を語りはじめる。
- 赤ひげ診療譚狂女の話長崎で蘭方を学んで江戸へ戻った保本登は、小石川養生所の医長の新出去定から、いきなり見習を命じられる。
- 機械九州の造船所を出た語り手の私は、汽車で会った婦人の縁で、ネームプレート製造所に住み込みで働き始める。
- 少年十歳ほどの「私」は、同級で意気地なしと評判の塙信一から、屋敷のお稲荷様の祭りに誘われる。
- 歯車知人の結婚披露式へ向かう僕は、レエン・コオトを着た幽霊の噂を聞き、視野に回る半透明の歯車を見る。
- 地獄変堀川の大殿様に長く仕えた者が、本朝第一の絵師良秀と、地獄変の屏風の由来を語り始める。
- 夜長姫と耳男ヒダの若いタクミの耳男は、親方の身代りとして夜長の長者の邸へ行き、姫の持仏を彫る腕くらべに加わる。
- 屋根裏の散歩者何をしても世の中が面白くない郷田三郎は、素人探偵の明智小五郎から犯罪の話を聞いて犯罪に惹かれていく。
- ハムレット敗戦の翌年の夏、高原の避暑地で古風な装いの白髪の老人が噂になる。連れの青年祖父江がその素性を語りだす。
- 高野聖雪の夜、敦賀の古い宿で、若い「私」は道連れの旅僧に、若いころの飛騨の山越えの話を聞く。
- 遠野物語柳田國男が遠野の人佐々木鏡石から聞いた話を、一字一句加減せずに書き留めた百十九の話である。
- 蟹工船函館を出た蟹工船博光丸に、貧しい村や町から集められた漁夫と十四、五の雑夫が乗り込む。
- 陰獣探偵小説家の「私」は上野の博物館で小山田静子と出会い、作家と愛読者として手紙を交わす仲になる。
- 山の人生柳田國男が、山に入ったまま帰らなかった人々の記録と伝承を集め、そのわけを考えた研究である。
- 蠅男師走の大阪、帝塚山に焼場のような臭いが漂う。帆村荘六は煙の出る奇人館の暖炉で半焼けの屍体を見つける。
- 卍弁護士の妻の柿内園子が、ある作家に向けて自分の身に起きた事件を大阪の言葉で語り出す。