にんげんいす
人間椅子
- 読了時間
- 約30分
- 文字数
- 14,834字
- 読みやすさ
- ふつう
- 表記
- 新字新仮名
初出: 「苦楽」プラトン社、1925(大正14)年10月号
三行でいうと
- 人気作家の佳子のもとへ、見知らぬ男から分厚い原稿のような手紙が届く。
- 「奥様」と始まるその手紙は、醜い容貌に悩む一人の椅子職人の告白だった。
- 男はホテルに納める大きな肘掛椅子を作りながら、ある奇妙な考えを思いつく。
登場人物
- 佳子
- 美しい女性作家。夫は外務省の書記官で、毎朝夫を送り出してから書斎で創作に取りかかる。
- 手紙の主
- 生まれつき醜い容貌を持つ、腕のいい椅子職人。
読みどころ
江戸川乱歩の初期の短編を代表する作品で、物語の大部分が一通の手紙の文面でできている。読者は佳子と一緒に、見知らぬ男の告白を一行ずつ読み進めることになる。
男の語り口は丁寧で落ち着いているのに、書かれている中身はどんどん常識から外れていく。言葉づかいと中身の落差が気味の悪さを生み、途中で読むのをやめられなくなる。
百年前の作品だが、狭い場所にこもって他人の暮らしに触れ続ける男の話は、今読んでも古びていない。最後の数行まで気を抜かずに読んでほしい。
結末まで知りたい人へ
結末を表示する(ネタバレを含みます)
男は椅子の中に人ひとりが入れる空洞を作り、自分でそこに潜り込んだ。椅子はホテルのロビーに置かれ、男は座る人の重さや肌の温かさを感じながら暮らす。やがてホテルの持ち主が替わって椅子は競売にかけられ、大都会に住むある官吏に買われた。その家の奥様こそ、手紙を読んでいるあなただと男は書く。
手紙を読み終えた佳子は、自分が毎日座っている書斎の椅子を思い出して青ざめる。そこへ同じ男から二通目の手紙が届く。先に送った原稿は自分の創作で、ぜひ批評をいただきたい。表題は「人間椅子」としたい。そう書かれていた。
読んでみる
青空文庫で無料で読む図書カード:人間椅子本で読む
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次に読むなら
公開: 2026年10月26日 更新: 2026年10月28日