かじい もとじろう
梶井基次郎
1901〜1932
病と貧しさの中で、短く澄んだ文章の作品を残した。31歳で亡くなり、作品は短編20あまり。
短い順に読む
- 桜の樹の下には語り手の俺は、満開の桜の美しさがどうしても信じられず、この二三日は不安で憂鬱だった。
- 器楽的幻覚仏蘭西から来た若い洋琴家の連続音楽会に、私は六回通う。静かなホテルの会場に、教室のような親しさを覚えていく。
- 愛撫猫の耳を「切符切り」でパチンとやってみたい。私は子供のときからそんな空想を捨てられずにいる。
- 闇の絵巻東京を騒がせた強盗が、棒一本あれば闇の中を走れると語った。その記事を読み、私は爽快な戦慄を覚える。
- 檸檬「えたいの知れない不吉な塊」に心を押さえつけられた「私」が、京都の街をさまよい歩く。
- Kの昇天或はKの溺死療養地のN海岸で知り合ったK君が溺死した。私は、その死に思い悩む相手へ長い手紙を書く。
- 交尾病気で夜中に眼が冴える私は、寝静まった町の物干し場に出て、露路を行き交う猫を眺めている。
- 冬の日冬至の近いころ、肺を病む堯は間借りの二階から、葉を落とす木々と早く消える冬の日を毎日眺めている。
- のんきな患者肺を病む吉田は寒に入って高い熱を出し、身動きもできないまま眠れない夜の不安に苦しむ。
- 城のある町にて幼い妹を亡くした峻は、その死を落ちついて考えたくて、城跡のある町の姉の家へやって来る。