れもん
檸檬
- 読了時間
- 約10分
- 文字数
- 4,930字
- 読みやすさ
- ふつう
- 表記
- 新字新仮名
初出: 「青空 創刊号」青空社、1925(大正14)年1月
三行でいうと
- 「えたいの知れない不吉な塊」に心を押さえつけられた「私」が、京都の街をさまよい歩く。
- 以前は好きだった音楽も詩も、今は受けつけない。みすぼらしくて美しいものにだけ心が引かれる。
- ある日、寺町の果物屋で一個の檸檬を買う。その冷たさと重さが、私の気分を少しずつ変えていく。
登場人物
- 私
- 肺の病と借金を抱え、何をしても気分が晴れない若者。
読みどころ
筋らしい筋はほとんどない。それでも百年読み継がれてきたのは、気分が変わる瞬間を細かく書き留めているからだ。
檸檬の色、形、冷たさ、匂い。私が檸檬を手のひらで確かめる数行を読むと、こちらの手にも重さが伝わってくる。体調も懐具合も悪い若者が、たった一個の果物で浮き立つ。その不安定さに覚えのある人は多いはずだ。
後半の丸善の場面で、私は子どものいたずらのような空想をふくらませていく。短い作品なので、一度読んだら声に出してもう一度読んでみてほしい。
結末まで知りたい人へ
結末を表示する(ネタバレを含みます)
檸檬を持った私は、気詰まりで避けていた丸善に入る。しかし画集を手に取るうちに、また憂鬱が戻ってくる。そこで私は、棚から抜き出した画本を積み上げて城を作り、そのてっぺんに檸檬を置く。
そのまま何食わぬ顔で店を出た私は、あの檸檬が爆弾で、十分後に丸善が大爆発する様子を想像する。くすぐったい気持ちで、私は活動写真の看板が並ぶ京極の通りを下っていった。
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青空文庫で無料で読む図書カード:檸檬本で読む
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公開: 2026年10月26日 更新: 2026年10月26日
テーマ: 教科書でおなじみの名作