さんげつき
山月記
- 読了時間
- 約12分
- 文字数
- 5,780字
- 読みやすさ
- 歯ごたえあり
- 表記
- 新字新仮名
三行でいうと
- 唐の時代。若くして科挙に合格した秀才の李徴は、役人を辞め、詩人として名を残そうとする。
- しかし詩は認められず、生活のために再び地方の役人になる。屈辱に耐えかねた李徴は、旅先のある夜、姿を消した。
- 翌年、旧友の袁傪は旅の途中、人食い虎が出るという山道で一匹の虎に出会う。
登場人物
- 李徴
- 隴西の出身。才能に恵まれているが、自尊心が強く、人と交わろうとしない。
- 袁傪
- 李徴の数少ない友人。おだやかな性格で、今は監察御史として旅をしている。
読みどころ
高校の国語で読んだ人の多くが、「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という言葉を覚えている。才能を信じているからこそ人に批評されるのを恐れ、努力からも逃げてしまう。李徴が自分の弱さを語る場面は、今の読者が読んでも身に覚えのある話だ。
文章は漢文を読み下したような硬い調子で、最初は読みにくく感じるかもしれない。けれども音読すると独特のリズムがあり、短い作品なので最後まで読み通せる。
結末まで知りたい人へ
結末を表示する(ネタバレを含みます)
虎は李徴だった。ある夜、呼ぶ声に誘われて山へ走り込み、気がつくと虎になっていたと李徴は語る。人間の心に戻る時間は、日に日に短くなっているという。
李徴は袁傪に、まだ世に出ていない自作の詩を書き取ってほしいと頼む。そして、虎になったのは自分の臆病な自尊心と尊大な羞恥心のせいだと打ち明ける。最後に残された妻子の面倒を頼み、本当は詩より先にこちらを頼むべきだったと自分を責める。
別れたあと、袁傪の一行が丘の上から振り返ると、一匹の虎が草むらから躍り出た。虎は光を失った月を仰いで二声三声吠え、再び草むらに入って、二度と姿を見せなかった。
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公開: 2026年10月26日 更新: 2026年10月26日
テーマ: 教科書でおなじみの名作