らしょうもん
羅生門
- 読了時間
- 約12分
- 文字数
- 5,682字
- 読みやすさ
- ふつう
- 表記
- 新字新仮名
初出: 「帝国文学」1915(大正4)年11月号
三行でいうと
- 平安時代の終わり、荒れはてた京都。主人に暇を出された下人が、羅生門の下で雨がやむのを待っている。
- 飢え死にするか、盗人になるか。下人は決められないまま、死人が捨てられた門の上へ登る。
- そこには、死人の髪の毛を一本ずつ抜いている老婆がいた。
登場人物
- 下人
- 長く仕えた主人に暇を出され、行くあてのない若い男。右の頬にできた大きな面皰を気にしている。
- 老婆
- 羅生門の楼上で、死人の髪を抜いて鬘にしようとしている。
読みどころ
生きるためなら、悪いことをしてもよいのか。この問いを、下人ひとりの気持ちの揺れで描いた短編である。
下人の心は、老婆を見たとたんに激しい憎しみへ傾く。ところが老婆の言い分を聞くうちに、まったく別の方向へ動き出す。正義感と悪の境目がわずかな時間で入れ替わる流れを、順に追ってほしい。
降り続く雨、暗い楼上、松明の火、面皰をさわる下人の手。場面の描写が短く的確で、映像を見ているように読み進められる。高校の国語で最初に読む小説として定番になっている作品だ。
結末まで知りたい人へ
結末を表示する(ネタバレを含みます)
老婆は、抜いた髪で鬘を作って売るつもりだと話す。この死人の女も、生きていたころは蛇を干し魚と偽って売っていた。生きるためにしたことだから悪くはない。自分のすることも同じだと老婆は言う。
それを聞いた下人は、盗人になる勇気を得る。「では、己が引剥をしようと恨むまいな」と言って老婆の着物を剥ぎ取り、夜の闇へ消えていく。物語は「下人の行方は、誰も知らない。」の一文で終わる。
読んでみる
青空文庫で無料で読む図書カード:羅生門本で読む
注や解説の付いた文庫は、言葉の意味や時代背景を確かめながら読めます。
次に読むなら
公開: 2026年10月26日 更新: 2026年10月26日
テーマ: 教科書でおなじみの名作