恋の話
恋が物語を動かす作品。うまくいく恋は少なく、すれ違いや迷いが多い。
- 舞姫明治の官吏太田豊太郎は、官命でベルリンに留学し、法律を学ぶうちに自分の生き方を疑い始める。
- 三四郎熊本の高等学校を卒業した小川三四郎は、大学に入るため汽車で上京する。車中で同じ宿に泊まる女や髭の男と出会う。
- 雁明治十三年、医科の学生の岡田は散歩の途中、無縁坂の家の窓にいる女と会釈を交わすようになる。
- こころ鎌倉の海で知り合った先生に惹かれ、学生の私は東京の家へ通う。先生は毎月、友の墓に一人で参っている。
- 押絵と旅する男魚津へ蜃気楼を見に行った帰り、私は夜の汽車で、平たい荷物を抱えた老人と二人きりになる。
- ヴィヨンの妻詩人の大谷の妻である「私」は、酒を飲み歩いて帰らない夫を待ち、病弱な坊やと小金井の荒れた家で暮らしている。
- 桜の森の満開の下鈴鹿峠に、旅人の着物をはぎ、気に入った女は女房にしてしまう山賊が住んでいた。
- 斜陽敗戦の年の冬、かず子は母と二人で東京の家を手放し、伊豆の山荘に移ってひっそりと暮らしはじめる。
明治から戦後まで、書かれた時代の順に並べた。同じ「恋」でも、時代によって人物が背負うものがかなり違う。