芥川龍之介の王朝もの
平安時代の説話を下敷きにした芥川龍之介の短編。『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』の短い話に、近代の心理を書き込んでいる。
- 羅生門平安時代の終わり、荒れはてた京都。主人に暇を出された下人が、羅生門の下で雨がやむのを待っている。
- 鼻池の尾の禅智内供は、顋の下まで垂れた長い鼻を内心ずっと苦にしている。人前では気にしない顔ですましている。
- 芋粥摂政藤原基経に仕える五位は、風采が上がらないせいで、同僚からも下役からも軽んじられている。
- 地獄変堀川の大殿様に長く仕えた者が、本朝第一の絵師良秀と、地獄変の屏風の由来を語り始める。
- 藪の中山科の藪の中で、旅の侍の死骸が見つかる。検非違使は木樵りや旅法師から順に話を聞いていく。
- 六の宮の姫君昔気質の父母に大切に育てられた姫君は、両親を相次いで亡くし、乳母だけを頼りに古い屋形で暮らしていく。
発表された順に並べた。古典の筋はそのまま借りながら、登場人物が何を考えていたかを芥川は書き足している。原典の説話と読み比べると、何を足したのかがよく見える。